こんにちは。
9月の回は
「アニメ映画はファミリー向けなのか?」という小テーマをもとに、『おおかみこどもの雨と雪』を鑑賞し考察しました。『おおかみこども』は
偶然が多いご都合主義的な面が否めなかったことや、家族に対して非常にシリアスな視点を与えてくれるという点で、世界の人々の受け取り方は賛否両論に分かれるだろうという話をしました。
ちなみに街パート(いわゆるAパート)の
舞台は国立で、駅前通りにある白十字や一橋大学は聖地巡礼をしてみてもいいでしょう。
さて、10月の回では焦点を移し、フランスに目を向けたいと思います。
アニメ映画の製作本数は1位アメリカ、2位日本、というのはイメージがしやすいと思うのですが、
実は3位にフランスが入るのです。
1990年代フランスでは、日本のアニメーションが人気だったのですが「表現が暴力的である」として日本アニメの放送を規制(事実上は禁止)されました。これをきっかけに日本の漫画(しかも日本語)が販売数を増やしていくことになるのですが、99年の『ポケモン』まで日本のアニメが放送されない状況が続きました。
ヨーロッパではアニメや漫画などを包括する産業がなかなか育たなかったためか、フランスが先陣を切って動くことになります。政策の一つとして、
「民放は一定数、自国産のアニメを放送しなければならない」という法律を設けました。そのため、フランスでも自国のアニメ制作会社を起こし作品を作っていく必要があったのです。
そんな事情を抱えるフランスですが、
芸術性や雰囲気を重視した独特なアニメ映画を作っています。今回は、そのようなフランスらしさをもちつつエンタメ性に富んだ作品を見ていきたいと思います。
10月「アニメ映画と国境」(予定 : 変更の可能性あり)
作品1:『ベルヴィル・ランデブー』 (仏題: Les Triplettes de Belleville)
監督:シルヴァン・ショメ、公開:2003年、約80分。
作品2:『森に生きる少年~カラスの日~』(仏題: Le Jour des Corneilles)
監督:ジャン=クリストフ・デッサン、公開:2012年、約90分。時間や場所は更新される情報を参照ください。
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タンタル