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こんにちは。文批研のタンタルです。
前回の更新からかなり間が空いてしまいましたが、
文フリには毎回出店しており、また昼会はほぼ毎日行われているなど、
活動はコンスタントに続いています。

今回は、4回目となる冬合宿についてお伝えします。
メンバーは主に今年で卒業する4年生が参加し、
草津温泉で1泊2日の旅程をとりました。

文批研の活動は「個々の興味・関心を深める」ことに重きを置くため、
合宿の内容も、自主的に手をあげてやりたいことをやるスタイルです。
今回は旅館内の部屋で、私を司会に勉強会を開催しました。

勉強会で扱った内容は、ギー・ドゥボールというフランスの哲学者。
彼の代表作である『スペクタクルの社会』(1967年)を取り上げました。

スペクタクルは直訳すると「見世物、光景」です。artscapeというサイトでは、
「マスメディアの発達とともに資本主義の形態が情報消費社会へと移行し、
生活のすべてがメディア上の表象としてしか存在しなくなった状況」
(注)
と説明されています。

これを現代で例えるなら、中身や値段はともかくインスタ映えでものを買う人間を想像するといいのではないでしょうか。
ただ「良いものを買う」のではなく、「メディアの上では良いものを買う」人たち。
食事も旅行も人間関係も、インスタというメディアの上でのみ「存在」している状況。
……そう捉えると、1967年に出版されたこの本の先見性は高いと言えます。


さて、冬の草津温泉というとロマンがありますが、
温泉街は湯畑や賽の河原公園を除いて、めぼしいものはあまり見当たらず。
高村光太郎小林一茶の石碑があるかと思えば、
草津に泊まったというだけだったり、作家が好きなファンが立てたり。

ちょっと待って欲しい、まさしくこれらも「スペクタクル(見せ物)」なのではないか……
美味しいそばと舞茸の天ぷらを食べながら、そのようなことを思っていました。

夜は、最近文批研内でブームになっているボードゲームで遊びました。
大人数だと「ニムト」が盛り上がりますね。

日程が合うなら来年も参加したいです(仕事しろ


(注)河合政之、2019、「『スペクタクルの社会』ギー・ドゥボール」 現代美術用語辞典ver.2.0
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