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 9月を前にしてイベントのお知らせです。

 日本のアニメ産業の勃興はメディアミックスやオタクカルチャーの社会的上昇によって起こりましたが、その終わりを視界に収める議論を耳にするようになりました。例えば、アニメーターの人材の問題です。現場の中心となるアニメーターは高齢化が進みつつも、労働環境の困窮さによって若い人材が育たずあと10年でアニメが大量に作られ放送される日本の現状はなくなると言われています。

 世界に目を向けると、ディズニーグループの映画は世界中で多くの観客を寄せ、興行的な成功を続けてきました。これはストーリーやキャラクターなどを、徹底した合理性によって動かしている彼らの思想が表れた結果と見ることが出来ます。『インサイド・ヘッド』では、国によってキャラクターの名前や、キャラクターの嫌いな食べ物も異なります。また『アナと雪の女王』は同性愛に対する配慮という点で、日本のアニメとはレベルが違う政治的正しさ(Political Correctness)を押さえていました。これも日本のアニメ産業と大きく違う点と言えるでしょう。

 では、ますます状況が不明瞭となる日本のアニメは、世界を前にしてどこへ向かっていくのでしょうか。企画では近年の世界・日本で話題となっているアニメに関する映画を押さえ、現状を分析していきたいと思います。今回は、毎週のように放送される番組ではなく映画にすることで、比較する視点を多く獲得することを狙います。映画は国やジャンル、長さ、視聴者層などの視点について内容を踏まえて考えるうえで有効なものです。批評的な姿勢・観点から、考察を進めていきたいと思います。

 9月から12月まで、4か月にわたり映画鑑賞および考察会を行います。「世界を前にした日本のアニメ映画を考える」をシリーズのテーマとし、意見を共有できればと思います。連続ではないため、単体での参加も可能です。

9月「アニメ映画はファミリー向けなのか?」
作品:『おおかみこどもの雨と雪』
監督:細田守、公開:2012年。


ご連絡は、bunhiken@live.jpまで。

タンタル
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